彼はいつも、そばにいてくれた。
困ったときは手を差し伸べ、言葉にできない不安を静かに受けとめてくれた。
その存在は私にとって支えであり、光であり、感謝と尊敬の対象だった。
遠く仰ぎ見る星のように、美しくて近づけない存在。
だから私は、その距離に安心していたのだと思う。
けれど、ある夜。夢の中で彼は私の前に立ち、静かに告げた。
「君の中に、夜になると光る小さな星のかけらが隠れている」
私は驚き、問い返した。
「どうしてそんなことがわかるの?」
すると彼は、迷いなく答えた。
「僕の中にも、それがあるから」
その瞬間、私は知った。
あの星のかけらの光は、彼の私への愛の証だったのだと。
胸の奥の光が、一瞬にして波のように全身を揺さぶった。
これまで抱き続けた感謝と尊敬が、熱を帯びた光となって心を押し潰す。
誰も知らない私の光を、彼が見つけ、抱きしめてくれた――その事実が、胸を満たす喜びとなり、涙が溢れた。
そして気づく――もともと私は、ずっと彼を好きになりたかったのだ、と。
感謝という鎧は溶けて消え、怒涛の愛が一気に心を覆う。
胸の奥で、星の光と彼への想いが交わり、全身を熱く震わせた。
――けれど、ただ光を知っただけでは満たされない。
胸の奥で光を抱きしめながら、レイは思った。
この光が私に与えた力を、彼のために使いたい、と。
愛することで初めて感じる切なさ――胸の奥に生まれる痛みは、光とともに彼の存在の重みを教えてくれる。
考えてみれば、彼はずっとこの切なさに耐え、私を支えてくれていたのだ。
その事実に気づいた瞬間、胸が押し潰されそうになった。
涙がこぼれ、声にならない想いが喉を震わせる。
私はどうしても会いたくなった。触れたくなった。
そして、彼のそばで何かを支えたい――その願いが、熱く、切なく、でも温かく胸を満たす。
星のかけらは夜ごと静かに輝き、私に彼を思い出させる。
その光を抱くたびに、幸福と切なさが混ざり合う。
共通の星を持つ喜びが、胸の奥で限りなく震える。
そしてレイは知る――この光がある限り、私の想いは彼とつながっているのだと。
けれど、離れてそれぞれに光るだけでは、見える景色は違ってしまうから。
これからは、同じ場所から放たれる、重なり合った光で、同じ世界を見てみたい。
だから私は、どうしても彼に会いたい。
その思いは星の光にのせて、きっと、遠く離れたハクショウの胸に届く。