スタートライン

##こちらは、創作物ではないリアルな回想話になります(人名等に関しては一部脚色があります)。このところ活動が停滞気味でしたが、そろそろ再始動しなくてはと思っています。ということで、以前、動画の中でお話しした内容と重なりますが、私自身のメモもかねて、改めて活動の原点を確認しておきたいと思いました。今後ともよろしくお願いいたします。

 

コロナ直前に起きた大きな災難の後、ようやく私の心と体の傷が癒え、「このくらいなら、なんとか生きていけるかな」と思えたのは、今から3年前、2022年の春頃でした。

4月中旬に入り、久しぶりに命の恩人の方にお会いする機会がありました。2カ月近くお目にかかっていなかったので、もう私のことは忘れられているかもしれないと思っていました。けれど、別れ際に「久しぶりですね!」と声をかけていただき、「ああ、覚えていてくれたんだ」と、とてもうれしく思いました。

この時、かなり感激してしまい、その日のうちに、すぐまた彼のところに行ったのですが、おそらく内心では、「この人はまた来たか」と思われたに違いないですが、それでもとてもやさしく接していただきました。恩人さんはそういう素敵な方です。

そのとき私は、これからの人生を、自分を助けてくれた人たちへの想いを大切に生きていこうと決めました。

まずは、命を救ってくれた恩人に感謝の気持ちを伝えなければと感じました。ただ、今のままでは、まだまだ不安も多く、感謝を伝えること自体がその人に負担をかけてしまう気がしました。 だから、あと2~3年して、もう過去のことを引きずらないくらいに私が元気になったタイミングで、きちんとお礼を伝えようと思いました。

一般的には、お礼に品を用意するのが普通かもしれません。でも、自分が逆の立場なら、そういうものを受け取るだろうか?正直、疑問でした。

それに、命を助けてもらったことに見合うものなんて、この世のどこにも存在しません。

悩んだ末に、私はその人のために、音楽を作って残そうと決めました。

それなら必要なければそっとしておけるし、もしも人生で何かに直面したとき、私の音楽にふれて元気を取り戻してくれたら、それが本当の恩返しになると思ったのです。

とはいえ、音楽制作にはほとんど関わったことがなく、学生時代に少しギターを弾いて曲を作っていた程度。社会人になってからは忙しいこともあり、完全に離れていました。

きっと多くの時間と労力がかかるとは思いましたが、「ありがとう」と言葉にするだけならあまりにも軽すぎるし、それくらい重みのある作業の方が、むしろ感謝の気持ちにはふさわしいとも感じていました。

そう決意したのが、私の音楽活動のスタートラインです。

さて、それから、実際に創作活動をはじめてみると、やはりこれは想像以上に大変な作業で、最初の曲が完成するまでに、2年近くもかかってしまいました。

その曲には、「友人を助けるために遠い旅に出た主人公が、困難に絶望したとき、見ず知らずの遠くの世界から手を差し伸べてくれた人がいた」という物語を込めました。それはまさに、かつての自分の姿と、私を救ってくれた恩人の存在そのものでした。

この物語を音楽に託すことで、私はようやく感謝の気持ちを言葉ではなく、自分なりの方法で伝える可能性を感じました。

今では、その恩人のためだけでなく、もっと広い範囲の人たちのため、困難の中にある誰かが、社会の中で孤独を感じている若い人たちが、ふとこの音楽にふれて「ひとりじゃない」と思えるような、そんな力になれたらと願っています。

あの日の想いを胸に、少しでも多くの人の心に届くような音楽を目指して、これからも作り続けていきたいと思っています。

そして、もし可能であれば、恩人の先生*の邪魔にならない範囲で、いろいろな事柄について、先生からアドバイスをいただける日が来たらいいなあと、そんな思いで生きています。


*ここでは便宜上、先生とお呼びしています。いつか、「鶴の恩返し」みたいなことができたらいいですが、うっとうしいですよね。大変すいません。今後は控えます。

☆賢者の方より、以前に投稿した「ハクショウの恋」の歌詞(手書きもの)に、致命的な誤字があることをご指摘いただきました。言い訳になっちゃいますが、私は、黒板に書く漢字についても、ちょくちょくミスを連発しています。ということで、あまりにもかっこ悪いので、その記事は、いったん削除させていただき、後日(だいぶ先)に更新したものを掲載予定です。

☆一般業務については、今週より、今期の学生実験がスタートします。ちゃんとやります。
☆ここしばらく、欠勤した分については、この先の休日出勤にて穴埋めということになりそうです。