ノベライズ作品「レセプター」の続きを
どうしたらよいものかとずっと悩んできたのですが。
これまでのあらすじとしては、
「量子意識レセプター(QCR)の研究を進めるレイが、古い友人のラキを救出に向かうものの、途中で様々な困難に遭遇。絶望したその時、1000年先の未来からの未知の信号がQCRを再起動させ、レイは、勇気を回復する。」
現在、制作中の楽曲R03は、レイとラキが離れ離れになる前、二人で一緒に過ごした時代を背景にした曲になるため、ノベライズ作品の方も、この時代を回想する内容にしようかと思っています。
前記したこれまでのあらすじにおける素朴な疑問として、1000年先の未来から信号を送ったのは、ハクショウという人物であることは、すでに作品外で開示されているものの、それでは、ハクショウはなぜレイを助けようとしたのかについては、明かされておらず。この点にスポットをあてたエピソードを書いてみようと思っています。つまり、レイはハクショウに一方的に助けられたと思っているけど、本当はそれ以前に、レイがハクショウを助けていたから。レイが気づかないところで、二人が相互に恩人という関係になるという意外な関係性を描きたい。そして、そのことが原因でレイとラキは疎遠になってしまったというそんな展開を考えています。
このような構想の下、今回の物語は、レイの子供の頃に遡ることになります。(以下は、今朝から焦って書き上げたドラフト版のため、後日に大幅な変更があるかもしれません)
(回想)
ある日、レイとラキは夕暮れの街を歩きながら、笑い声を交えて語り合っていた。その帰り道、レイは突然、胸の奥に温かな感覚が広がるのを感じた。それは心地よく、まるで優しい手に包まれているようだった。彼女の瞼は重くなり、その場に立ち尽くしたまま、深い眠りに引き込まれていった。
気がつくと、彼女は薄暗い森の中を歩いており、木々の間から差し込む月明かりが足元を照らしていた。突然、遠くから誰かの叫び声が聞こえ、レイは声の方向へと足を速めた。
やがて、開けた場所にたどり着くと、若い青年が何者かから逃げるように走っているのが見えた。彼の表情には焦りと恐怖が浮かんでいた。レイと目が合った瞬間、彼は驚いた様子で立ち止まり、何かを決意したようにポケットから一通の手紙を取り出した。
「お願いだ、これを受け取ってくれ!」
青年は息を切らしながらレイに手紙を差し出した。彼女が戸惑いながらも手を伸ばすと、青年は安堵の表情を浮かべた。しかし、その直後、再び追手の気配を感じたのか、彼は「ありがとう」とだけ言い残し、闇の中へと消えていった。
レイは手紙を開けようとしたが、不思議なことに、開封することができなかった。ただ、レイの脳裏には、沢山の複雑なプログラムのコードのようなものが、思い浮かんでは消えていった。
「レイ、大丈夫かい?」
突然、遠くからラキの声が聞こえ、彼女の意識が現実へと引き戻されていった。目を覚ましたレイは、夢の中の出来事があまりにも鮮明で現実味を帯びていたことに驚きを隠せなかった。特に、あの青年の切迫した表情と手紙の感触が忘れられなかった。
家に戻ったレイは、夢で見たプログラムの断片を思い出し、AIを使って修復を試みた。完全ではなかったが、そのコードは人の心を表現しているように思えた。それ以来、レイは学校を休み、研究に没頭する日々が続いた。
このことがあって以来、レイがラキに会いに来ることも少なくなり、ラキは寂しい気持ちもあったが、ラキは彼女の変化を静かに見守っていた。かつては共に過ごす時間が多かった二人だったが、レイの情熱が研究へと向かうにつれ、二人の時間は自然と減っていった。
ある日の夕暮れ、ラキはレイの部屋の前を通りかかった。ドアの隙間から漏れる明かりと、忙しそうに作業を進めるレイの姿が目に入る。ラキはドアをノックすることなく、その場に立ち尽くした。
「レイ、頑張っているんだな。」心の中でそう呟きながら、ラキは微笑みを浮かべた。彼はレイの情熱を理解し、彼女の夢を尊重していた。だからこそ、自分の寂しさを押し殺し、彼女を応援し続けることを選んだのだ。
それからというもの、ラキは遠くからレイを見守る日々を送った。時折、レイが疲れた表情で家から出てくるのを見かけると、心配になることもあったが、彼女の決意を知っているからこそ、口を出すことはしなかった。
レイが研究に没頭してから1年が経過した頃、青年から受け取ったプログラムには元々不完全な部分があったことが明らかになり、レイはそれをほぼ完全に修復するところまで進展していた。そんなある夜のこと、彼女は深い眠りに落ちた。夢の中で、彼女は広大な星空の下に立っていた。無数の星々が煌めく中、一筋の流れ星が彼女の前を横切った。その光の軌跡を追うと、遠くに人影が浮かび上がった。
「あなたは…」
レイはその人物に見覚えがあった。いまから1年前に、夢の中で手紙を渡してくれた、あの謎の存在。レイは再び、夢の中であの青年と出会った。彼は以前よりも疲れた様子で、どこか遠くを見つめていた。レイは手に持っていたデータ端末を差し出し、
「これが、あなたに渡すべきプログラムです。」
と告げた。
青年は驚きと喜びの入り混じった表情で端末を受け取ると、
「これで、僕はもう大丈夫だ。」
と呟いた。その瞬間、彼の顔色が明るくなり、力強さを取り戻すのがレイにも分かった。
「ありがとう、君のおかげで救われた。」
と青年は深く感謝の意を示した。
レイと青年はいくつかの言葉を交わしたが、夢から覚めると、その会話の内容は不思議と記憶から消えていた。ただ一つ、レイの世界では1年が経過していたのに対し、青年の時計ではわずか5分しか経っていなかったことが強く印象に残っている。そして、彼との交流の中で、レイはふとした閃きを得た。青年がプログラムを受け取ったことで回復したことから、「物質と意識の相互作用」が研究の鍵であると直感したのだ。
この気づきが、後の量子意識レセプター(QCR)の研究へと繋がっていくことになる。レイは研究を続けるため、この地を離れ、大学へ進学する決意を固めた。
☆昨日の一般業務の大きなイベントは無事に終えることができました。大勢の前での挨拶も自分の中ではうまくできたと思っています。ありがとうございます!!